学校の怪談

▼今ひとつと評価する
実話怪談の形だけを借りた、詰まらない小説に見える。
気になる部分が色々ある事も、マイナスだろう。

学校で起こった事件であるのなら、まず生徒が疑われるべきで、警察の介入の前に何らかの処置を学校がしているはずではないだろうか?それに警察の介入を許すのは学校側では?(大体、学校と言うのは、内部の不祥事を隠したがるのではないだろうか)
なのに「内部の犯行だから、警察介入」は不自然な流れ。
そして教育委員会の介入も「?」。教育委員会のほうが、学校の実情を判っている、ということなのか?これも不自然。
「これは実話で、体験者から聞いたままを書いただけだ」といいたいだろうが、実話怪談だからこそ、気になる部分でもある。


そして、話者が「自称霊能者の教師」で、聞き手である著者が「話半分」とか書くのは問題。著者はこの話を怖いと思ったから書いているはずなのだから、そういった主観的な部分は蛇足でしかない。
おまけに、北東と南西。
この二つのキーワードだけで、勘のいい人は「ああ、鬼門ネタね」と感づいてしまうだろう。音楽室の方角は最後で説明すべきであった。