ニア

▲良いと評価する
動物三部作(と勝手に呼んでみた)の最後。
スタイル的には聞き書き怪談(「超」怖い話的・パ……以下略)だ。
気になるのは、誤字など(公式掲示板参照)、文章が荒れている部分。
そして、他の参加作が文庫本1P〜3P程度で収まってしまう長さなのに対して、
この「ニア」はその数倍の長さだ。
その為か、若干冗長な印象を受けた。
とはいえ、「長く書かなければならないこと」がこの話にある。
二転三転する「プロセス」を書くには、やはりこの程度の長さが
必要なのかもしれない。
で、肝心のネタは、怖い話というより、厭な話。
ストレートに食い込んでくるような恐怖と言うより、
鈍器で何度も殴られる恐怖、といった方が正解に近いだろう。
どーん!と幽霊が出ました!的怖さではなく、
「将来不明の怖さ」「不安な怖さ」である。


この著者は短い話を書いた場合に馬脚を現すのでは?と少々疑っているのだが……。