自慢話 ▲

▲良いと評価する
実話怪談としての条件をクリアしている良作。
・起きた怪奇現象の質
・それを伝える為の文章の質
・(怪異が起こる/起こった後に至る)プロセスの面白さ


実に「超」怖い話平山夢明氏系)風の実話怪談である。
言葉選びのセンスや話の持って行き方など、実に技巧的で上手い。
導入から怪異部分、オチに至るまでのつながりの自然さなどは特筆すべきであろう。
また、起きている怪奇現象の不気味さも中々のものだ。
採話した話の取捨選択を成功しているといえよう。
また、これで失敗をする人が多かった中で、実にセンスがいい。
タイトルも、ネタバレをさせず、オチまで読むと合点がいくのが憎い演出である。


ただ、冒頭の台詞の効き目があまりないこと(これは多分、<怪異に対して>と<情動二要因理論>の二つに対しての台詞と思われるが)と、全体に漂うわざとらしさ、平山氏フォロワーになろうなろうとしている点が気になる。


是非、次作に期待したい。