「超」怖い話Ζ

サイトの方でも感想は書いておりますが、こちらにも。
昨日書ききれなかったことの覚え書きと思っていただければ幸いです。
(まとめなおしてサイトに転載を予定しています)


今回の「超」怖い話Ζは「実話怪談の素晴らしさ」を提示した一冊だと思う。
最初から最後まで一気に読ませる筆力の確かさ、収録内容の素晴らしさは言
うまでもないだろう。流石である。


しかし、今回は(も)プレッシャーに苦しめられただろうことは想像に難くない。


発売前(というか執筆中)に「超」怖い話チームの加藤一氏はこう語っていた。

「超」怖い話を書いていることは、誉れであると同時に大きな自分自身への脅威(プレッシャーなどという生やさしいものではない)でもある。

おもしろいネタはいくらでもあったのだが、今年の「超」怖い話は、いろいろなものと比較されるんじゃないか、というプレッシャーが働き、思うに任せない。

「超」怖い話では、原稿を書いている段階より編集に入ってから疲弊することのほうが多いのだが、原稿を書いている段階でこんなに疲弊する「超」怖い話は、初めてかもしれない。

一応〆切は守ったが、半分くらい書き捨てのつもりで、直しにかかりたい。

まったくたまらん。

夏発売の怪談書籍、読者の期待、少し前にあった「実話怪談否定」。
全ての要素が絡まって、これまでより「プレッシャー」がかかったのは言うまでも
ないはずである。
ファンとして、気になったし、心配にもなった。
今年の「超」怖い話は、どうなってしまうのだろう?、とぼんやりとした不安。
もし、期待を裏切る結果になったら?


しかし、そんな懸念は一蹴された。
「Ζ」は、他の書籍や読者の期待、実話怪談否定のプレッシャーを跳ね除け、
実に素晴らしい一冊を提示したからだ。


『実話怪談とは、こういうものだ』
と、「超」怖い話は「作品」で表した。
あとは受け手である、我々が判断するのみである。


未読の方、実話怪談否定論者は、是非読んでみて欲しい。

「超」怖い話Ζ(ゼータ) (竹書房文庫)

「超」怖い話Ζ(ゼータ) (竹書房文庫)