怪談pod

加藤一氏のBlogにて「怪談のツボ」という話が出ていた。


女性と男性の怪談のツボの違いと言う奴について書かれていたのだが、これが結構興味深い内容。是非未読の方はお読み下さい。

一方、昨今の怪談(特に実話怪談)というのは、現実の延長線上に置かれながらも「理解不能」であることにその価値が見出されているきらいがある。

怪談慣れした男性読者だけでなく、いやむしろ殖え続けている女性読者は余計にそうした「理解不能」から恐怖を読み取る能力に長けているのではないかとも思う。

これは「ヘタレが想像力豊かであるが故に」という理由に少し似ている。
…ような気がする。
結局「恐怖を読み取る能力=想像力」ではないか?と。
人によって、やはりツボは千差万別なので、一概には言えないのだが。


で、「何故幽霊が怖い?」と言う話になると、人によって様々な意見が出てくる。
・知らない人が部屋に立ってたら、怖いじゃないか……それは、生きてても怖いと思う。
・何するか判らないじゃないか……想像の範囲を超えたものは怖い?
・幽霊だから、怖い……そりゃそうだけど、それを訊きたい。
・見えないものが見えているって怖いでしょ?……そうなのか。


『怖さの根源は、人によって違う。だったら、怪談というのは恐怖の最大公約数の一つではないか?』と考えた事もあったが、考えれば考えるほどドツボにハマル、『怪談のツボ』。
誰でも恐怖する『ツボ』が発見されたら、それこそ大発見ではないか、と思う。


後、気になったのは、これ。

一方、「男でおじさんで霊に興味がなさそうなヒト」というのは、ある意味「怪談のエアポケット」でもあるわけで、そのへんの層を刺激する怪談を書いたら、それはそれでニッチなジャンルが開けるのではないか!? とも思う。

男でおじさんで霊に興味がなさそうなヒトが、こっそり読むような怪談本。

いやー、難しい。

怪談の世界は奥が深い。

ニッチなジャンル=スキマ産(以下略)
実話怪談と言う括りの中から、これまでにないジャンルを開拓していくことも進化の方法論の一つ。加藤一氏はそういうチャレンジ(実験)が好きな方だと思っているので、これから先も目が離せない。



余談:「弩」怖い話2のアンケートを見ていて不思議に思ったのは、他の「超」怖い話関係と比べて、
・男性女性の割合の差が少ない
・発売後じわじわと売れている
・アンケートもじわじわ増えている
・アンケートの回答総数がかなり多い
のだ。通常の怪談書籍と比べて、売れ方・評価のされ方が少し特殊なのかな?と。
クチコミとかで、話題になったのか?時間を置いて読んだり買ったりした方が多いのか?
不思議な怪談書籍だと思う。